団の紹介


 

2018年3月発足。

ロシア音楽を中心としつつ、演奏会ごとにテーマをもたせたプログラムを組み、「著名な曲には新鮮な驚きを、知られてこなかった作品には新たな光を」というコンセプトのもと、活動している。

団員数も着実に増加しており、現在では年齢・出身を問わず参加者が集まっている。

依頼演奏として、各種イベントへの出演も多数おこなっている。

 

団体名の「クラースヌイкрасный」とは、ロシア語で「赤」あるいは「美しい」「情熱」を意味する語。

モスクワに在る「赤の広場(Красная площадь)」に着想を得、名付けられた。

 


 

―――なぜ、いま「ロシア音楽」なのか。

 現在、クラシック音楽というジャンルにおいて中心的と呼べるのはやはり「ドイツもの」でしょう。続いて、フランスやロシアの一部作曲家、オペラならイタリアが挙げられるように思います。ともかく、クラシックの世界ではこれらのレパートリーが「王道」として確立されている、ということは言えるでしょう。しかし、クラシック音楽をいかに継承してゆくか、という課題に直面し、果たして旧態依然としたレパートリーのみを演奏し続けるだけでよいのか、という思いが私の中に生まれました(お断りしておきますが、決して私はドイツの音楽を嫌っているわけではありません)。日本では30年ほど昔、いわゆる「マーラー・ルネッサンス」、そして近年では「ショスタコーヴィチ・ルネッサンス」が起こったといわれます。それまでオーケストラのレパートリーではなかったマーラーやショスタコーヴィチの作品が、プログラムの「目玉」になるまでになったのです。この「事件」に鑑みると、クラシック・ファンの感性というものは日々変化をしているのではないでしょうか。

 

クラシック音楽の担い手を新たに発掘していくためには、時代に即したレパートリーの確立が必要です。ここにおいてロシアの音楽は、非常に高いレベルの「旋律美」「ド迫力」「わかりやすさ」を備えています。「クラシック音楽なんて高い教養が必要なんでしょ?」「クラシック音楽なんて癒し系でしょ?」巷間にあふれるこのような「偏見」を覆す力があります。だからこそ、ロシア音楽が、日本のクラシック音楽界を盛り上げてゆく重要な方法の一つたりえると考え、このオーケストラをはじめました。

 

(第一回定期演奏会(2018)プログラム掲載「団長挨拶」より加筆修正)